試験の難易度を理解するうえで知っておきたいこと
行政書士試験の難易度について正しく理解するうえでは、平成18年度に実施された試験制度の改定についてもぜひ知っておく必要があります。
制度の改定前と改定後では、行政書士試験はまったくの別物に生まれ変わっているからです。
行政書士試験の試験制度の改定が行われたのは平成18年度のことですから、新制度になってからの試験ももう10回以上実施され、だいぶ定着した感があります。
ただし、行政書士試験について解説したこうしたサイトや、あるいは中古の受験対策本などですと、旧制度を前提にして書かれたものもあるので注意が必要です。
このページでは改めて、旧制度から新制度になって、行政書士試験は具体的にどのように変わったのかを確認しておきたいと思います。
新制度になって変わったこと
行政書士試験が旧制度から新制度になって、もっとも大きく変わったのは試験科目です。
試験科目の変更は、受験生の立場からすれば試験の難易度に直結する部分でもあり、改定当時は大きな話題となりました。
現在の試験科目を確認する意味も含めて、変更点をざっと概観してみたいと思います。
試験科目 |
改定前 |
改定後 |
行政書士の業務に関し必要な法令等 | 行政書士法 | (削除) |
憲法 | 憲法 | |
行政法 | 行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法 | |
行政手続法 | ||
行政不服審査法 | ||
地方自治法 | ||
戸籍法 | (削除) | |
住民基本台帳法 | (削除) | |
民法 | 民法 | |
商法 | 商法 | |
労働法 | (削除) | |
税法 | (削除) | |
基礎法学 | 基礎法学 | |
行政書士の業務に関連する一般知識等 | – | 政治・経済・社会 情報通信・個人情報保護 文章理解 |
このように表にしてみるとわかりやすいと思いますが、試験制度の改定に伴い、行政書士試験で出題される法律の数は激減しました。
ただし、出題される法律数の減少は、学習量が少なくて済むことを意味しませんし、もちろん行政書士試験の難易度が下がったことも意味しません。
むしろ主要法律に絞られた分、一個一個の問題で問われる知識は深くなり、難易度は上がったという見方もできます。